併せて行って欲しい「屋上防水」

マンションの大規模修繕の際、気にかけてほしいのが屋上防水です。

鉄筋コンクリートのマンションの場合、屋上の仕上げは防水を施している事が大半です。
防水は10年程で劣化してしまうので、徐々に雨漏りを起こしてしまう事があります。
外壁や建物の中ばかりが大規模修繕の際に目が行ってしまいますが、
屋上は鉄筋コンクリート建物にとても重要な部分ですので、注意が必要です。

また、鉄筋コンクリート内の劣化も引き起こしてしまうので、
構造体の根本的な劣化にも導いてしまい、想像以上に大事になってしまいます。
鉄筋が酸性雨に侵されると、鉄筋コンクリート自体の寿命が大幅に無くなってしまいます。
鉄筋コンクリート自体の致命的な劣化となり、建物の寿命が一気に下がってしまいます。
屋上防水の対処は早目のタイミングが大きなカギとなります。
気にしてチェックをするようにしましょう。

大規模修繕は屋上防水のリフォームだけでは該当しませんので、
該当する主要構造部の過半以上の工事と併せて行うと良いでしょう。
耐久年数は屋上防水の種類によります。
アスファルト防水で10年程と言われていますが、あくまで目安です。

建物の立地条件や防水のカラー等により、アスファルト防水の劣化のスピードが高くなります。
10年経ったら、屋上に上がって細かく頻繁にチェックするようにしましょう。

次にチェックの際のポイントをご説明します。

◆屋上防水のチェックポイント

・防水にひび割れが無いか
・防水に変色が無いか
・隅部分に剥がれが無いか
・重なり部分に剥がれが無いか
・著しいふくれが発生していないか
・破れている箇所が無いか
・笠木と立ち上がり部分の取り合いに不具合が無いか
・ドレンと防水の取り合いに不具合が発生していないか

また、不具合が起こらないよう定期的なメンテナンス等も必要です。

◆不具合を未然に防ぐ方法

・ドレンの定期的な掃除
 ドレンの詰まりは雨漏りを引き起こしてしまいます。
 ドレンの縦の排水部分が詰まってしまうと厄介になるため、頻繁に取いて常に綺麗にする事をオススメします。

・屋上防水の大規模修繕の後の屋上緑化を検討
 屋上防水の劣化を最小限に抑える為にオススメなのが、屋上を緑化する事です。
 緑化は紫外線や酸性雨などの外的刺激から防水を守ってくれるので、防水の劣化を抑える事が出来ます。
 また、緑は省エネ効果を発揮してくれるので、夏涼しい建物にする事が出来ます。
 屋上緑化をする場合は、歩行用の屋上防水を施すようにしましょう。

屋上防水から雨漏りが発生してしまうと、鉄筋コンクリートの中で水の道が出来てしまい
手遅れになると、防水を新規でリフォームしても、止められない場合があります。
大規模修繕の際に必ず検討し、屋上からの不具合を無くすようにしましょう。

大規模修繕工事のタイミング:建物の観察ポイント~その2


前回は、建物の観察箇所として主に外観についてご説明しました。
今回は屋上・屋根等、目の届きづらい箇所についてご説明します。

・屋根の変色
板金屋根やスレート屋根の場合、屋根に変色が出る事があります。
変色しているという事は、屋根材が寿命を迎えている証拠となります。
家を遠くから眺め、変色している部分がありましたら補修を行わなくてはいけません。
10~15年ほどで発生する事が多く、軽度でしたら部分補修も可能です。

・排水が流れにくい
築20年以上の場合は、排水が流れにくくなって違和感を覚える事があります。
この場合、排水管の劣化が考えられます。
軽度な場合は部分的な取り換えで済みますが、そのまま放置しておくと
全ての排水管を取り換えないといけなくなり、莫大な費用がかかってしまいます。

・家の中で雨漏りが発生している
雨漏りが発生しているという事は、外部のどこかで劣化が生じている証拠です。
この場合、業者に建物周りを点検してもらうと、不具合を発見してもらえます。
大規模修繕のタイミングの際に発生してしまう事が多いので、
雨漏りが見受けられたら大規模修繕の合図と思うようにしましょう。

建物の劣化の進行は、その建物の状態や環境によってマチマチです。
費用を抑えて適切な大規模修繕へと導く為には、建物のこまめな点検が大事です。

早期発見で軽度な補修で済みますので、早めの大規模修繕を試みましょう。
少しでも変だなと思ったら、業者に依頼して点検を行ってもらいましょう。
素早い点検と適切な大規模修繕が、長持ちする建物へと導きます。

大規模修繕工事のタイミング:建物の観察ポイント~その1


大規模修繕のタイミングは、どのような視点で行うと良いのでしょうか。
目安としては、10~15年と言われています。
それ以前に、次のような状態が見受けられたら、大規模修繕を行うタイミングとなります。

・外壁にひびが発生している
外壁のひびを放置していると、外壁内部に雨水が浸透してしまいます。
躯体がダメになってしまい、雨漏りも発生してしまいます。
10年程度でこのような状態は発生しやすいので、注意が必要です。

・外壁に白い粉が浮いている
外壁に白い粉状の物が発生している場合は、チョーキングが起きている証拠となります。
チョーキングは外壁塗装の劣化の初期段階を表しており、
放っておくと塗膜がダメになり外壁材自体の劣化が始まってしまいます。
チョーキングが出ている場合は、早急に塗装工事を行って塗膜を復活させましょう。
10年ほどで発生する場合が多いので、外壁に触れてみるなどこまめに調査をしてみましょう。

・コーキングの劣化
コーキングの劣化も、放置しておくと雨漏り等建物に不具合を起こしてしまいます。
コーキングは早くて5年で劣化してしまう事もありますので、
少しでも不具合を感じたら打ち直しを行う様にしましょう。

・鉄部のサビ
鉄部は、少しでもサビてしまうとサビの状態が酷くなってしまい、
鉄部としての機能を果たせず崩落してしまう事もあります。
高い位置にある鉄部であれば落下してくる可能性もありますので、とても危険です。
早い場合3~5年程度でサビが発生してしまう事もあります。
見受けられましたらすぐに補修を行う様にしましょう。

上記は、すぐに確認できる箇所ですが
他にも屋根や屋上等も確認する必要があります。
こちらについては、次回ご説明します。

改修工事と大規模修繕との違い~その2


屋根について、改修工事か大規模修繕かの線引きは
「主要構造部に手を掛けるかどうか」だと前回ご説明しました。

しかし、主要構造部範囲は自治体により異なる場合もございます。
屋根の大規模修繕に関しては、ご自分がお住まいの市町村の建築指導課に
ご相談をしてみると良いでしょう。
建築主事や担当者の捉え方により、変わる事があります。

屋根の大規模修繕を行う建物は、屋根からの雨漏りが生じているお宅に
非常に多く見受けられます。
屋根からの雨漏りがどこからなのか特定できれば良いのですが
断定できない事が大半なので、思い切って屋根の大規模修繕を行って
雨漏りをシャットアウトするという方法です。
どこから発生しているのか解らない屋根からの雨漏りであっても
屋根全体を作り直して葺き直すので
雨仕舞がしっかりし雨漏りを起こさない建物を作る事が出来ます。

屋根の雨漏りに長年悩んでいるお宅は
屋根の形状に問題はないのか等を検討した上で
思い切って屋根全体を作り替えてみるのも1つの雨漏り対策となります。

切妻や寄棟等、思い切ってシンプルな形状の屋根にしてみると
雨漏りが起こりにくい建物にする事が出来ますよ。
シンプルな屋根形状は管理も簡単ですので、
古くなっていく建物にはとても適しています。

大規模修繕について色々ご説明していますが、
実際に大規模修繕を体験されてた方の記事は参考になると思います。
修繕積立金の値上げ」はなるべく抑えたいものですね。

改修工事と大規模修繕との違い~その1


屋根のリフォームを行う際に、改修工事と大規模修繕のどちらに該当するのか
少し解りにくい部分があると思います。

改修と修繕とは、似ているようで全く違います。
しかし、素人目には解りにくいのが現状です。
その差を、解りやすくご紹介いたします。

屋根材を葺き替える程度であれば、改修工事となります。
葺き替えが大規模修繕にならない理由は
屋根の葺き替えの際、主要構造部に全く手がかからないからです。

大規模改修の定義部分に「屋根」と記載がありますが
これはあくまで屋根の主要構造部の事を指しており
一般的に想像する屋根の仕上げ材の事を指しているのではありません。

よって、板金や瓦等の屋根の仕上げ材は屋根の主要構造部ではないので
勘違いしないようにしましょう。
葺き替えても、ただの改修工事です。

屋根の大規模修繕に該当する例は、以下となります。
・屋根を受けている構造材も根本的に変える場合
・屋根の土台部分つまり屋根の主要構造部に手を掛ける場合

屋根の主要構造部とは、小屋梁より上の構造材です。
束・棟・母屋等、これらが、屋根の主要構造部になります。

これらに手をかけて屋根面積の半分以上を工事するのであれば
屋根の大規模修繕に該当します。
また、束・棟・母屋の腐食を取り替える場合や
屋根の形を変えるために主要構造部に手を掛ける場合
この2つのどちらかの工事において、屋根面積の半分以上であれば
屋根の大規模修繕に該当します。

建物の長期維持するためには?


大規模修繕は、建物を長く維持させる為にとても必要な工事です。

建物は10年以上経過していくと、どんどん劣化してしまいます。
材料の寿命なので仕方ない事ですが、その時点で手を加えるか否かで
その後の建物の寿命に大きな差を付ける事となります。

屋根や外壁のやり替えを行うと、雨漏りを防ぐ事が出来るので
建物を丈夫にさせる事が出来ます。
この2つの部分は、紫外線のパワーを存分に浴びてしまう部分のため
どうしても劣化が激しくなってしまいます。

劣化した状態で放っておくと輪をかけて劣化してしまい
雨漏りが建物全体に回ってモロい建物になってしまいます。
建物は1度このような状態になってしまうと、残念ながら30年は持ちません。

昔30年住宅と言われてきたのが、今は50年、70年と言われるようになりました。
その理由は、このように大規模修繕をきちんと行う事で
建物の寿命を延ばす事に繋がっているからです。

建物は作った業者の腕で左右されますが、その後の建主さんのメンテナンス方法にも
大きく左右されます。
10~30年の範囲で大規模修繕を検討し、50年、70年、100年と
長持ちし続ける建物を作りましょう。

構造計算は必要なの?


前回は大規模修繕とは何かについて説明しました。

主要構造部の半分以上の修繕になるので、構造計算の要・不要も気になる方がいると思います。
大規模修繕によって構造耐力上の危険が増大しないという事であれば
構造計算書の添付は不要となります。

特に住宅の大規模修繕は、外壁のやり直しや屋根の葺き替え等が主なので
既存と新しい工事との建物に対する荷重がほぼ変わらないと断定でき
構造計算を不要とするケースが大半です。
ただし、主要構造物の著しい入れ替えや形が変わる事となると
建物の構造が変わることになり、構造計算が必要になる場合もあります。

しかし、現実は建築確認や構造計算に該当している建物でも
建築確認を提出していない大規模修繕が非常に多く見受けられます。

役所は頻繁にパトロールしていますので
後からバレてしまうというパターンが非常に多くあります。
建築確認に該当するお宅は、大規模修繕を行った場合は必ず届けを出すようにしましょう。
届けは業者が行ってくれますし、費用それほどかかりません。

大規模修繕とは?


大規模修繕とは、建築物の主要構造部の1種類以上について行う、
過半以上の修繕を言います。
建築基準法第2条第14号による、「大規模の修繕」に記載あります。
ここでいう「主要構造物」とは、次を指します。

・壁
・柱
・床
・はり
・屋根
・階段

この6つのどれか1種類以上が過半を超えれば大規模修繕に該当します。
柱の面積が建物全体の面積の半分を超えていれば
壁の修繕部分が過半を超えていなくても、大規模修繕に該当する事になります。

よく間違えられますが、間仕切り壁、間柱、揚げ床、最下階の床、廻り舞台の床
小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段等、これらは該当しません。

大規模修繕は、一般的な住宅クラスであれば建築確認が必要です。
特殊建築物や3階以上の建物になる等、一般住宅のような建物ではない場合は
その建物の内容により、建築確認の有無が変わります。
大規模修繕を行う建物が建築確認に該当するのかは、業者に相談すると良いでしょう。